クレジットカードの解約手順と注意点|クレジットカードを解約するメリットとは?

「クレジットカードの数が多すぎて管理が大変」といった悩みを抱える人は多いです。クレジットカードの整理は、家計の見直しや安全性の向上につながる大切な作業です。しかし、闇雲に解約すると思わぬトラブルに巻き込まれるので、注意しなければなりません

この記事では、クレジットカードを解約するメリットから手順、注意点まで詳しく解説します。記事を読めば、クレジットカードを効率的に解約することが可能です。クレジットカードを解約しようと考えている方は参考にしてください。

目次

クレジットカードを解約するメリット

クレジットカードを解約することで得られるメリットは以下のとおりです。

  • 年会費を節約できる
  • 紛失や不正利用のリスクを減らせる
  • クレジットカードの管理が簡単になる

年会費を節約できる

クレジットカードの解約で最もわかりやすいメリットは、年会費の節約です。年会費は1枚あたり数千円から数万円と幅広く、複数枚所持していると家計の大きな負担になります。年会費1万円のクレジットカードを3枚持っている場合、解約によって年間3万円の節約が可能です。

入会キャンペーンなどで作ったものの、あまり使用していないクレジットカードがある場合は注意してください。年に数回しか使わないカードの年会費を支払い続けるのは、経済的に非効率です。使用頻度の低いクレジットカードを中心に見直すことで、無駄な出費を抑えられます。

紛失や不正利用のリスクを減らせる

クレジットカードの枚数を減らすことで、紛失や不正利用のリスクを大幅に軽減可能です。クレジットカードの枚数が多いほど、紛失や盗難のリスクが上がります。使用頻度の低いクレジットカードは、不正利用されても気づくのが遅れることが多いです。

財布を落としてしまった場合を考えてみましょう。クレジットカードを5枚所持していた場合と、2枚だけ所持していた場合では、対応に要する時間と労力が大きく異なります。カード会社への連絡や新しいクレジットカードの発行手続きなど、必要な作業が増えるほど精神的な負担も大きいです。

不正利用された際の被害額も、クレジットカードの枚数に比例して大きくなります。必要最小限のクレジットカードだけを所持することで、万が一の事態に備えつつ、日々の安心感も得られます

カードの管理を簡単にできる

クレジットカードの枚数を減らした方が、日々の管理が格段に楽です。毎月の明細チェックにかかる時間を考えてみましょう。5枚のクレジットカードを所持している場合、それぞれの明細を確認し、不正利用がないかチェックするのに30分以上かかります。2枚に減らせば、半分以下の時間で済ませられます。

ポイントの管理も簡単です。複数のクレジットカードを使い分けていると、それぞれのポイントの有効期限や使い道を把握するのが難しくなります。クレジットカードを整理することで、ポイントの把握に苦労しません。

支払い金額の把握も容易です。クレジットカードが多いと、総支出額を正確に把握するのが難しいです。クレジットカードを適切に整理することで家計管理が簡単になり、計画的な支出につながります。

クレジットカードの解約前に確認すること

クレジットカードの解約を決めたら、いくつかの重要な確認事項があります。解約前のチェックで、解約後のトラブルを防げます。それぞれの項目について、詳しく見てみましょう。

支払い方法の変更手続き

クレジットカードを解約する前に、支払い方法の変更手続きを忘れずに行ってください。変更が必要な主な項目は以下のとおりです。

  • 公共料金(電気・ガス・水道)
  • 携帯電話・インターネット料金
  • 定期購読サービス
  • 各種サブスクリプション
  • オンラインショッピングの登録情報

上記の支払い方法を変更せずに解約すると、サービスの利用停止や延滞金の発生など、思わぬトラブルに巻き込まれます。電気代が引き落とされなかったり、携帯電話の利用料金が支払えなかったりする事態を招きます。

変更手続きは、新しい支払い方法(別のクレジットカードや口座引き落とし)を用意してから行いましょう。注意が必要なのは、年払いの自動更新サービスです。解約後に気づくと、大きな金額の支払いが滞る可能性があるため、事前確認と適切な変更が大切です。
» クレジットカードで支払える公共料金を解説

ポイントの消化

クレジットカードを解約する前に、貯まっているポイントの確認と消化を忘れずに行いましょう。多くのクレジットカードでは、解約と同時にポイントが無効になります。せっかく貯めたポイントを無駄にしないためにも、事前の確認と利用が重要です。

ポイントの使い道は多岐にわたります。商品との交換やキャッシュバック、他社ポイントへの移行など、クレジットカードによってさまざまです。商品券に交換できるタイプもあれば、マイルに交換できるタイプもあります。

ポイントの交換や移行には時間がかかる場合があるので、解約の1か月前くらいには手続きを始めましょう。ポイントの有効期限にも注意が必要です。期限切れになる前に使い切るよう計画的に行動しましょう。

未払い額の確認と一括返済

クレジットカードを解約する前に、未払い額の確認と一括返済の準備が必要です。確認すべき主な項目は以下のとおりです。

  • リボ払いの残高
  • 分割払いの残額
  • キャッシングの借入残高
  • 年会費の未払い分
  • 最新の利用分(未請求分)

多くのカード会社では、解約時に未払い額の一括返済を求められます。リボ払いで10万円、分割払いで5万円の未払い額がある場合、解約時には合計15万円の一括返済が必要です。大きな出費に対応できるよう、事前に計画を立てましょう。

未払い額が大きい場合は、一括返済が可能になるまで解約を延期するのも一案です。最新の利用分や年会費の未払い分など、請求書に反映されていない金額も忘れずに確認してください。カード会社のウェブサイトや電話での問い合わせで、正確な未払い額を把握できます。

ETCカード・家族カードの利用停止

クレジットカードを解約する際、ETCカードや家族カードの扱いを忘れがちです。メインのクレジットカードを解約すると、関連カードも自動的に利用できなくなります

ETCカードを頻繁に使用している場合、解約によって高速道路の利用に支障が出ます。家族カードを使用している場合、いきなり利用不可になると日常生活にも影響が出ます。事前に適切な対応をとることで、解約後のトラブルを防ぎましょう。

ETCカードや家族カードの利用者に事前に連絡し、代替手段を準備してもらうことが重要です。他のクレジットカードでETCカードや家族カードを新たに発行することも検討しましょう。解約の影響範囲を把握し、関係者全員が混乱なく移行できるよう準備することが大切です。

年会費の支払い時期

クレジットカードの解約を検討する際、年会費の支払い時期の確認は重要です。タイミングによっては、せっかく支払った年会費が無駄になります。年会費の請求サイクルを理解したうえで解約することで、無駄な支出を避けられます。多くのクレジットカードでは、年会費は1年ごとに請求されるのが一般的です。

4月入会のクレジットカードであれば、毎年4月に年会費が請求されるケースが多いです。3月末に解約すれば、新たな年会費の支払いを避けられます。5月に解約した場合、1年分の年会費を支払ったにもかかわらず、11ヶ月分のサービスを受けられません。

年会費の支払い時期は、クレジットカードの利用開始月や契約条件によって異なります。カード会社のウェブサイトや利用明細書で確認できますが、不明な場合はカスタマーサポートに問い合わせるのが確実です。年会費の支払いタイミングを把握し、最適な解約時期を選ぶことで、余計な出費を抑えられます。

付帯サービス

クレジットカードの解約を決める前に、付帯サービスの内容を再確認しましょう。多くのクレジットカードには、旅行保険や空港ラウンジ利用権、ショッピング保険など魅力的な特典が付いています。解約によって付帯サービスが使えなくなるため、慎重に判断しましょう。

海外旅行が趣味の方にとって、自動付帯の海外旅行保険は大きな魅力です。年に数回海外旅行に行く場合、毎回個別に保険に加入するよりも、クレジットカードの年会費を払う方が経済的な場合もあります。同様に、頻繁に飛行機を利用する方にとっては、空港ラウンジの利用権が重要な特典です。

付帯サービスの価値は個人のライフスタイルによって大きく異なります。自分にとって本当に必要なサービスなのか、年会費に見合う価値があるのかを冷静に判断しましょう。代替手段があるサービスなのか、他のクレジットカードで同様のサービスが受けられないかも検討する価値があります。
» クレジットカードの海外旅行保険の補償内容や選び方を徹底解説!

クレジットカードを解約する方法

クレジットカードの解約方法はカード会社によって若干異なりますが、主な方法を紹介します。電話での解約や窓口での直接手続き、オンラインでの解約、それぞれの方法について詳しく見てみましょう。

カード会社に直接電話して解約手続きをする

多くのカード会社で採用されている一般的な解約方法が、電話での手続きです。クレジットカードの裏面に記載されている問い合わせ番号に電話をかけ、オペレーターの指示に従って解約を進めます。電話での解約手続きは以下のとおりです。

  1. カード裏面の電話番号に連絡する
  2. 自動音声案内に従い解約を選択する
  3. 本人確認情報を伝える
  4. 解約理由を簡単に説明する
  5. 解約手続きの完了を確認する

電話での解約時に気をつけるべき点がいくつかあります。本人確認のため、カード番号や生年月日などの個人情報を聞かれます。事前に必要な情報を手元に用意しておくとスムーズです。解約理由を聞かれることもありますが「使用頻度が低いため」や「カードの整理のため」など、簡単な理由で十分です。

電話での解約は24時間受け付けているカード会社が多いですが、オペレーター対応は日中のみの場合もあります。急いで解約する必要がない場合は、比較的混雑しない平日の午前中に電話をするのがおすすめです。手続き完了後は、解約完了の案内が届くまでクレジットカードを大切に保管しましょう。

窓口に出向いて解約手続きをする

クレジットカードの解約を確実に行いたい場合は、窓口での直接手続きが最適です。窓口で疑問点を解消できるメリットがあります。カード会社の営業所や、提携銀行の支店などで解約手続きができます。窓口での解約手続きは、以下のとおりです。

  1. 必要書類を準備する
  2. 窓口に行き、解約希望を伝える
  3. 本人確認を行う
  4. 解約手続きの書類に記入する
  5. クレジットカードを返却する

窓口での解約手続きには、本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)と解約するクレジットカードが必要です。場合によっては印鑑が必要な場合もあるので、事前にカード会社に確認しましょう。未払い金の確認や、ポイントの最終確認なども同時に行えます。

窓口での手続きは営業時間内でしか行えず、混雑時は待ち時間が発生します。時間に余裕がある日を選んで訪問してください。一部のカード会社では窓口での解約を受け付けていない場合もあるので、事前に確認しましょう

オンラインで解約手続きをする

近年増えているのが、オンラインでのクレジットカード解約手続きです。カード会社のウェブサイトやアプリから24時間いつでも手続きができる便利な方法です。オンラインでの解約手続きは、一般的に以下の手順で行います。

  1. カード会社のサイトにログインする
  2. メニューから解約手続きを選択する
  3. 解約理由などを入力する
  4. 注意事項を確認する
  5. 解約を確定する

オンライン解約の最大のメリットは、時間や場所を選ばず手続きができる点です。深夜や休日でも解約が可能で、電話や窓口の混雑を気にする必要がありません。しかし、全てのカード会社がオンライン解約に対応しているわけではありません。対応していない場合は、電話や窓口など、別の方法で解約する必要があります。

オンラインでの解約時は、入力ミスに注意しましょう。誤った情報を入力すると、解約手続きが正しく完了しません。解約完了後は必ず確認メールが届くか確認し、内容を保存します。不明点がある場合は、オンラインチャットやメールでのサポートを利用してください。

クレジットカードを解約する際の注意点

クレジットカードの解約を決めたら、いくつかの重要な注意点があります。ポイントや特典の失効、信用情報への影響、付帯サービスの停止などについて詳しく見てみましょう。

ポイントや特典が無効になる

多くのカード会社では、解約と同時にクレジットカードのポイントが無効になります。長年利用してきたクレジットカードの場合、相当な量のポイントが貯まっている場合もあります。ポイントや特典を無駄にしないためにも、以下の点を確認しましょう。

  • 現在のポイント残高
  • ポイントの有効期限
  • ポイントの交換方法
  • 他社ポイントへの移行オプション
  • ポイント交換に必要な日数

商品との交換やキャッシュバック、航空マイルへの移行など、ポイントの使い道は多様です。できるだけポイントや特典を無駄にしないような計画を立ててください。ポイントや特典の交換に時間がかかる場合もあるので、解約の1か月前には手続きを始めるのがおすすめです。

信用情報に影響が出る場合がある

クレジットカードの解約は、場合によって信用情報に影響を与えます。注意が必要なケースを以下にまとめました。

  • 複数枚を短期間で解約
  • 利用歴の長いクレジットカードを解約
  • 限度額の高いクレジットカードを解約
  • 発行直後の解約
  • 未払い金がある状態での解約

信用情報に大きな影響を与えるのは、複数枚のクレジットカードを短期間で解約する場合です。借入需要が高いと判断される可能性があるためです。長年利用してきたクレジットカードを解約すると、安定した支払い履歴が失われます。

総限度額の高いクレジットカードを解約した場合においても、総与信枠が減少し、信用スコアに影響を与えます。発行直後の解約も同様です。未払い金がある状態で解約すると、延滞として記録されます。

信用情報への影響を最小限に抑えるには、解約するクレジットカードを慎重に選び、計画的に進めることが大切です。住宅ローンなどの大型融資を控えている場合は注意しましょう。必要に応じて、カード会社や信用情報機関に相談するのも良い方法です。

付帯保険やサービスが利用できなくなる

クレジットカードの解約に伴い、付帯保険やさまざまなサービスが利用できなくなります。多くのクレジットカードには魅力的な特典が付いているため、解約前に改めて内容を確認し、代替手段を考える必要があります。主な付帯サービスは以下のとおりです。

  • 海外旅行保険
  • 国内旅行保険
  • ショッピング保険
  • 空港ラウンジサービス
  • コンシェルジュサービス

海外旅行が趣味の人にとって、自動付帯の海外旅行保険はとても重要です。クレジットカード解約後は、旅行ごとに個別の保険加入が必要になり、費用や手間が増えます。ショッピング保険も見逃せません。高額な買い物をする際の安心感がなくなるため、別途保険を検討する必要があります。

解約を検討する際は、現在利用しているサービスを一覧にし、それぞれの重要度や利用頻度を評価しましょう。代替手段がある場合は、手間や費用も考慮に入れます。年会費と付帯サービスの価値を比較し、本当に解約すべきか判断することが大切です。

解約すべきクレジットカードの見分け方

クレジットカードの整理を考えている人向けに、解約を検討すべきクレジットカードの特徴を紹介します。複数のクレジットカードを所持している場合、どれを残し、どれを解約するかが重要です。

同じ国際ブランドのカードがないか確認する

クレジットカードを整理する際に確認すべき点は、同じ国際ブランドのクレジットカードを複数枚持っていないかどうかです。国際ブランドとは、VISAやMastercard、JCBやAmerican Expressなどを指します。同じブランドのクレジットカードを複数枚持つ必要性は低く、むしろ以下のようなデメリットがあります。

  • 特典が重複する
  • 年会費が無駄になる
  • 管理が手間になる
  • 利用実績が分散する
  • 不正利用のリスクが高まる

VISAブランドのクレジットカードを2枚持っている場合、どちらかを解約することで年会費の節約が可能です。管理も簡単になります。各クレジットカードの特典や還元率を比較し、自分に合うカードを残しましょう。異なる国際ブランドのクレジットカードを2~3枚程度所持し、用途に応じて使い分けるのが理想的です。
» クレジットカードの種類はどれがおすすめ?最適なカードの選び方

クレジットカードのステータスを比較する

クレジットカードには一般カードやゴールドカード、プラチナカードなど、さまざまなステータスがあります。クレジットカードを整理する際は、各クレジットカードのステータスと特典を比較検討しましょう。各カードステータスの年会費と主な特典は以下のとおりです。

カードステータス年会費主な特典
一般カード0~数千円基本的なポイント還元
ゴールドカード5千円~3万円程度旅行保険、空港ラウンジ
プラチナカード3万円以上コンシェルジュ、高額保険
クレジットカードのステータス比較

ステータスの高いクレジットカードは年会費が高いものの、特典も豪華です。自分のライフスタイルや利用頻度に合ったクレジットカードを選び、他のクレジットカードは解約を検討しましょう。

海外旅行によく行く方なら、充実した旅行保険が付帯するゴールドカードが適しています。日常の買い物がメインの方なら、年会費の安い一般カードでも十分です。クレジットカードは年会費と特典のバランスを考慮し、自分にとって最も価値のあるものを選ぶことが重要です。

ポイント還元率や特典内容を比較する

クレジットカードを選ぶ際には、ポイント還元率や特典内容を比較しましょう。クレジットカードによって還元率や特典が大きく異なるため、自分の利用パターンに合ったクレジットカードを選ぶことが重要です。比較項目は以下のとおりです。

  • 基本還元率
  • ボーナスポイント対象
  • ポイントの使い道
  • 旅行関連の特典
  • 保険サービス

自分に合うクレジットカードを選べば、年間で数万円分のポイントが貯まる可能性があります。旅行好きな方なら、マイルが貯まりやすいクレジットカードや、空港ラウンジが利用できるクレジットカードが魅力的です。使用頻度が低く、特典もあまり活用していないカードは解約を検討しましょう。
» クレジットカードの特典を活用して家計の負担を軽減する方法!

まとめ

クレジットカードの解約は、慎重に検討すべき重要な決断です。年会費の節約や管理の簡素化といったメリットがある一方で、貯まったポイントの失効や付帯サービスの喪失などのデメリットもあります。解約を決める前に、自分のライフスタイルや利用パターンを見直し、本当に必要なクレジットカードを見極めましょう。

複数のクレジットカードを比較し、最も自分に合ったクレジットカードを選べば、効率的でお得な生活を送れます
» クレジットカードを選ぶ際の基礎知識と目的別の選び方を紹介

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